神官と護衛

「カヴァリエーレさん」
「なんでしょうか、 朔羅 さくら 様」
「いえ、以前から思っていた事なのですがね。私はこの場の神官である限り、決して死ぬことはないでしょう。そしてここに来る方々は善良な方ばかり。それなのに、万が一のためという理由だけで、貴女をここに縛り付けてしまうことが心苦しくなることがあるのです。何より、女性である貴女に、万が一の時は誰かを殺させることになるかもしれないことも」
「……お言葉ですが、朔羅様。わたくしはこの任を厭ったことは一度としてありません。そして、わたくしが貴方様の傍にあり、いつでもこの武器を振るえるようにしている理由。それは貴方様が亡くなるか否かが問題ではありません。貴方様を護りたいと、他ならぬわたくしがそう思ったからです。わたくしは尊敬する貴方様を護りたいと、そう思った自分の心に従っているのみ。それはわたくしが女であろうとなかろうと、変わりはしないことであります」
「そう、ですか……。……不躾なことを言ってしまいましたね。すみません」
「いいえ、これが貴方様の優しさであることは理解しておりますので。お心遣い感謝します」

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